在宅障害者のいのちと暮らしを保障する制度の確立を
−大分での親子心中事件とてんかん問題に関する声明−
社団法人日本てんかん協会九州ブロック協議会
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去る7月に大分で重度の障害をもった45歳の子どもと母親が心中を図り、親は未
遂になり、刑事被告人として法廷に立っています。親は、知的障害と発作の多い子ど
もと施設利用を含めて考えてきたが、親自身の病気入院が必要になり心中に至ったと
いわれています。似たような事件がその後も続いております。とりわけ、大分の事件
ではてんかん発作が多く、多量の薬を服薬していたということです。私たちは、在宅
障害者がおかれている現状の上に、てんかんをもつ人々の辛苦が重なっているものと
考えます。
こうした問題の中心は、障害者と親が安心して暮らせる仕組みが整っていないこと
です。次のような問題が背景にあると考えます。
- てんかん発作があることで、認可施設から無認可作業所に移ってきたり、
ショートステイを断られたりするなどてんかんと他の障害を重複する人への制度
上の配慮が一切ないことです。施設数が足りないのに、てんかんということで、
さらに施設利用が困難になっています。
- 「障害者プラン」に基づく自治体の障害者計画でも、てんかんを独自の障害
として見ていないために、施策として殆ど無視されています。てんかんをもつ
人々が利用できる社会資源がありません。
- 障害者が地域で生活していくためのきめ細かい支援体制が確立していませ
ん。
- 専門的な医療機関が少なく、適切な医療と生活相談体制がなく、民間団体に
依存している貧困な施策がこの問題の背景にあります。
こうした問題を繰り返さないと何度も言われ、いまだ解決の希望を私たちは持つこ
とができません。「国連・障害者の10年」以降、ノーマライゼーションという考え
方が広がりつつありますが、わが国の根底にはこのような事件を断つことがことがで
きない構造があります。「完全参加と平等」の理念の具体化のために、私たちは自ら
の尊厳を守るためにも、てんかんをもつ人々への施策の確立を求めていくことを改め
て誓います。
1998年10月31日
Last Updated Feb.15.2001
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